古くは堀辰雄や室生犀星、有島武郎など、多くの作家が軽井沢を愛し、この地で多数の作品を生み出しました。
最近になっても軽井沢には「本」に関わる人がたくさん集まり、そして交流を重ねています。作家や翻訳家、書評家、大学教授、編集者、装丁家や書店流通に関わる人、本を心から愛する人々——。
軽井沢にゆかりのある、もしくは軽井沢を愛する本好きたちが出会い、語り合う。
軽井沢を舞台にした本の祭典、それが「軽井沢ブックフェスティバル」です。
本を愛する誰もが、本を通して仲間と出会い、楽しみ、語り、学び、自然の中で自分を解放する本のお祭り「軽井沢ブックフェスティバル」に、ぜひいらしてください。
アウシュヴィッツ以後、「詩を書くことは野蛮である」と思想家アドルノは言いましたが、「目が見えること、本が持てること、ページがめくれること、読書姿勢を保てること、書店へ自由に買いに行けること、――5つの健常性を満たすことを要求する読書文化」は健常者優位主義(マチズモ)である、「文化的な香りのする言い回しを燻らせていれば済む健常者は呑気でいい」と喝破した市川沙央さんの「ハンチバック」以後、はたしてどんなブックフェスが「野蛮」でないのか、まったく途方に暮れるこの頃です。にもかかわらず、この意識の空隙(「本好き」たちの無知な傲慢さ)に気づかせてくれたのも、「ハンチバック」という芥川賞作品に出会えたからこそ――。その意味で、いまこそ改めて、「本」の恵み、読書文化の可能性を、広くともに考える場ができればと強く願います。 河野通和(編集者・読書案内人)
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